前回のブログでは,新型コロナ感染拡大や緊急事態宣言発令によって生じる経営難を乗り切るために,
1.自分たちの事業の強みを見失わない。
2.柔軟な思考で代替策を考える。
3.国や自治体が差し伸べる給付を確実に受ける。
の三点が必要となることをお伝えしました。
今回はこのうちの,2.柔軟な思考で代替策を考える。を考えてみましょう。
コロナ感染が収束傾向となり,本業の本来の需要が戻ってきた時に,ジャンプスタートが切れるよう,この時期に何をどう行うかを考えます。
目標は「何とか生き残る」ことです。
「柔軟な思考」といわれても,具体的に何を考えればよいかピンと来ないかもしれません。そこで,代替案を考えるうえで押さえるべき,3つのポイントをまとめてみました。
ポイント1:高リスクを避ける
コロナ不況に陥って,すぐにでも状況を打破したいと考え,何か突拍子のないことを行おうと考えてしまうこともあるかもしれません。中には,成功すれば大きな利益に繋がるが,失敗したときに大きな負債を抱えてしまうような高リスクの仕事もあります。生き残るためにはしょうがないと,とにかく入ってくる仕事はすべて取るという考えは要注意です。立ち直れないダメージを受けては元も子もありません。そういう時こそ,慎重に選択していくことが大切です。
ポイント2:本業の延長線上又は本業の周辺で考える
全く未知の分野での仕事は,効率が悪く,スピード感がなくなってしまいます。また,新しいことを始めるときには失敗する確率も高くなるため,ポイント1の高リスクにもつながりかねません。
これまで行ってきた,事業の範囲内で工夫できる点を探すことができるかもしれません。
例えば,
①本業で培ってきたノウハウを似ている他の分野で生かす
②苦労している者同士,手を組み,その中で自社の強みを生かす。
③利益が薄くても価格を下げて,お客様をつなぎとめる
といった工夫をすることができます。
新型コロナ蔓延の渦中でも,これらの工夫を行っている事業者もいます。
一例として,マスク製造で異業種企業の参入が目立ち始めました。マスクの品薄状態が続く中,これまでの技術やネットワークを生かし,高機能素材のマスクを開発しています。
また,アルコール入り消毒液も品薄となっていますが,日本各地の酒造会社が消毒液に代わる高度数酒類の製造に乗り出しています。大量にある原料アルコールの有効活用から発想しています。
このように,自社の事業の周辺やこれまで培ってきたノウハウを活かせる場を見つけることで,状況を打破することができるかもしれません。
ポイント3:人々(社会)のニーズは何かを考える
ニーズがあればビジネスチャンスが必ずあります。コロナによって失われるニーズもあるかもしれませんが,新たに生まれるニーズもあります。
例えば,コロナの感染を押さえるために,外出自粛や休業要請が行われていますが, IT機器やITサービスの需要が高まっています。人と人との接触をさけつつ,コミュニケーションを取ったり,サービスを受けたりできるからです。
こうした社会のニーズは時代を変化させていきます。
今後,コロナ不況によって,企業の淘汰が進む可能性があるとも指摘されています。その中で生き残っていくためには,社会のニーズを把握しながら,事業方針やスタイルを変化させていくことが必要といえます。
今から,コロナ後に備える
いかがでしょうか?何かヒントが得られそうですか?
代替案を考えていくことは,並大抵のことではありません。その場しのぎではなく,会社のこれからを長期的に考えていくことが必要です。
上記の3つのポイントを押さえることで,リスクの少ない,可能性の広がる代替案を見つけることが容易になります。
柔軟な思考で,社内・会社間で知恵を出し合い,コロナ不況を乗り越えましょう!
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