香川県では,今世紀半ばに発生することが予想されている南海トラフ地震で大きな被害が出る恐れがあります。
そのような緊急対応時に最前線で活動することが期待されている建設業では,災害対応力を強化し,応急対応業務や継続すべき重要業務を確実・円滑に実施するための体制を整えておく必要があります。
そこで香川県は,BCP(事業継続計画)策定を推進するために,「香川県建設業BCP認定制度」を創設しています。これまでAランクの建設業者主体で認定が進められてきましたが,令和二年度からは,Bランク業者もBCP認定対象となりました。
では,建設業者がBCPを構築し,認定を受けるメリットは何でしょうか?
具体的にどのような手順でBCPを構築すればよいのでしょうか?
詳しくご説明していきます。
1.BCPって何?
BCP(BUSINESS CONTINUITY PLANNING)とは,事業継続計画のことです。
地震や水害,いま流行のコロナなどの感染症などにより
事業継続が困難に陥るときにいち早く問題に対応し,
事業を回復させるために平時の時から計画を組んでおくというものです。
建設業に特化したBCPの場合は,主に大地震などにより,各所が寸断されてしまい,被害が拡大していくことを建設業者が協力して,社会インフラの復旧に当たれるようにすることを意図しています。
2.BCP構築・認定取得するメリット
①自社を緊急事態から守れる
南海トラフ地震などの緊急事態が発生したときに,早期復旧に向けて速やかな対応をすることができます。
BCPを構築する際には,自社の業務フローや想定されるリスクを明らかにする必要があります。これによって,緊急事態発生時の行動計画を立てることができ,最小限のダメージに抑え,事業を継続することができます。
②顧客や自治体からの信用度が高まる
近年では,大企業や中堅企業は災害発生時に備えた体制を整えています。それらの企業が事業を行う際に,サプライヤーとなる中小企業が事業継続能力に欠けていた場合,それだけで事業を継続するうえでのリスクとなります。そのため、大企業は取引先に対してBCPへの取組み状況を確認したり、BCP策定を勧めることもあります。
逆に,BCPを構築している中小企業は,取引先を選定する際に優先されることが期待できます。
③香川県の総合評価方式の評価につながる
令和二年度の総合評価方式の評価項目の内容が,4月1日に香川県土木監理課のウェブサイトにアップされました。
評価項目22.災害時の活動体制の欄を見ると,Aランクの業者の場合,この項目で20点を取るためには「香川県建設業BCP認定」の取得が必須となっています。これを取得していなかった場合,他の要件を満たしていたとしても15点までしか取れません。
さらに今年度,Bランクの事業者も,この「香川県建設業BCP認定」を取得できることになりました。現時点で,Bランク業者の評価の欄にはBCPという文言はありませんが,BCPを構築し認定を取得している場合は,Bランクの満点である,「加入している団体等が香川県と公共土木施設等を対象とした災害協定を締結し、かつ災害時に応急活動できる体制あり」の証拠を持っていることになり,ほぼ確実に15点を取ることができると期待できます。これによって,他の業者との差別化を図ることが可能となります。
3.BCP構築・認定取得の手順と必要な期間
まず,緊急事態発生時に生じることが予想されるリスクを分析します。
次に,災害時に活用できる資源を洗い出すとともに,緊急時の連絡先の把握などを行います。
その後,建設会社の策定する事業継続計画の内容及び実効性について,「香川県建設業BCP審査会」において審査を受け,認定証等の交付を受けるという手順となります。
尚,この認定証の有効期間は認定日の属する年度から2年度後の3月31日,継続更新認定は3年度後の3月31日です。有効期間が満了する前に更新の手続きをする必要があります。
これら,構築及び認定取得に必要な日数は,3から5か月程です。認定審査は,年に二回しか行われていないため,取得を目指す際には早急に取り掛かることが求められます。
4.BCP構築・認定取得のサポート
安田総合事務所では,香川県内のBCP構築および認証取得の多数のサポート実績があります。
BCPには,策定する事業者が主体的に活動を行うことが求められています。
こうした活動を行う方法,書類作成の方法などを的確にアドバイスさせていただきます。
ISO9001やISO14001などのコンサルで培った弊社のノウハウをフル活用し,お客様のニーズに応える仕方で徹底サポートさせていただきます。
お見積り・初回のご相談は無料でさせていただきます。
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